冥土カフェ、東京。
「本日は、ご愁傷様です」で始まった冥土カフェ。
まさか!の台風が上陸する日、2017年10月22日。東京は大雨でした。
山梨で第一回を開催し、第二回となった東京会場。
仏様のご慈悲か、熊本・長崎から飛行機で予定通り参加者さまも来ていただけました。
今回の冥土カフェは、映画「おくりびと」の技術監修をされた会社&お寺。
研修施設も充実しているおくりびとアカデミーの一室をお借りしました。

まずは現世のしがらみを断ち切るチェックイン。
みなさんの自己紹介や今日への想いを語っていただきました。
今回は、「台風を連れて熊本や長崎から来ましたよ!」との声。
東京、神奈川、埼玉のみならず、熊本や長崎からもお越し頂きました。ありがとうございます。

次に、冥土の土産1「僧侶が語る 死と生の概念」として、真言宗の鈴木秀彰僧侶と参加者さんの対話。
「死は必ず来ます。人間の窒死率は100%です。」との現実。
その時に立ち上がる死へのイメージは?今まで大切にしてきたことは?
今までの人生を振り返る対話を重ね、それぞれの人生で何が大切だったのかを振り返りました。

続いて、冥土の土産2「死と生を体感する入棺体験」です。
現世を振り返るワークや、「明日死ぬならしたい10のリスト」をまとめて、心の準備ができた方から入棺します。

ふすまを開けると、そこは冥土だった。

「どうぞ」と勧められるがまま、ゆっくりと自分の足で棺に入って頂きます。
棺の中に横たわり、目をつむります。

やがて蓋が閉められます。この時、まだ小窓は空いていて現世とのつながりがある状態です。
少し経ち、その小窓も閉められます。
突如、闇の中に体と意識が溶け込む瞬間です。
この時、感じることや思い浮かぶことは、ひとそれぞれ全く違います。

二つとない様々な人生を歩んできたから、死を間近にした想いもひとそれぞれです。
「これで楽になれる」「まだやり残したことがある」「あとは任せよう」「まだ死ねない」
想定していなかった自分との出会い。
これは体験してみないと、浮き上がってきません。
冥土の土産4。「おくりびとの想いと作法」納棺士の平中健介氏にお話を伺いました。
「すべては故人のため」の想いから始めたおくりびと。
病院などで無くなると平均8分で「葬儀会社は決まってますか?」と聞かれるそうです。
ほとんどの方は決まってません。何をどうしたらいいか、わからない。

その時に故人の想いを大切にする葬儀社と、業界の都合を優先する葬儀社と存在するとのこと。
故人の想いを最優先する場合、死後できるだけ早く納棺士が初期ケアをするそうです。
体はなまものなので、日が経つにつれ乾燥していく。そうすると修復はできない。
納棺士はできるだけきれいな姿で旅立ってほしいので、できるだけ早く現場にいきますが葬儀社によっては自分たちの都合を優先してそうはできない場合もあるとのこと。
そして、実際のおくりびとの実技を見せて頂きました。
冥土に行く旅装束への着替えは、厳粛かつ美しい流れ。
「想いを込めて、お送りしたい」その想いが所作に現れていると感じました。
うーむ、奥深い。

冥土の土産5、「知っておきたい保険と相続」 阿部慎吾氏。
「死には、体の死だけでなく『経済的な死』があります」
「今の保険の保証は何歳までですか?」
「生命保険は死んでから使えるだけではありませんよ。生きるためにも使えます。」
今入っている保険を確認し、生きるための活用の仕方があることを教えてくれました。
まだ小さなお子さんのいる余命宣言された30代女性。
生命保険の特約を使い、お子様の成長を見守るプレゼントを用意しました。
お母さんはいなくなっても、想いは残り、成長を見守ることができます。
本当の出来事に、うるっとしました。
生きるために保険を使う。そんな選択肢がある。
すっごくわかりやすい説明!保険、見直さなきゃ!

そして最後の冥土の土産は、今回の会場となったおくりびとアカデミー、お寺の見学。
最新の納骨堂の見学、もともとあったお寺の移築、東京ではなかなか泊まることのできないお通夜を故人と過ごせる部屋、葬儀を知るイベントや音楽イベントなども開催している場所など見学させて頂きました。

この建物ができてまだ3年。
まだまだいろんな可能性を秘めている新しいお寺と葬儀場のあり方です。

このような盛りだくさんだった冥土カフェ。
死を体感し、自分との対話を中心に、これからの生き方を考えてもらうきっかけだ。
最後に参加者さまからの感想を掲載させて頂きます。
本当に死にそうになる前に、自分の生き方を振り返る。
死を体感し、これからの生を自分と対話する。
ライフスタイルの変わる10年に一度はオススメの定期点検です。
また次回を企画したら、ご案内をさせていただきます!